この問題どう指導しますか?

カテゴリ:算数

平面図形 長さの比、面積比の問題 どう指導しますか?

左の図の三角形ABCで、AE:EC=2:1,BD:DC=4:5です。
これについて、次の問いに答えなさい。

(1) AF:FDを求めなさい。
(2) 四角形FDCEと三角形ABCの面積の比を求めなさい。
回答者
平面マスター

解答日時:2019/01/04 10:29:05

解答してみます

(1)
Dから直線ACに平行な補助線を引く。その補助線と直線BEとの交点をGとする。そうすると、二組の相似な三角形が出現する。△BCE∽△BDGと△AEF∽△DGFである。△BCEと△BDGは、∠CBE=∠DBG、直線CE//DGのため、
∠BCE=∠BDG、∠BEC=∠BGDであることから相似であるといえる。
BD:DC=4:5から、EC:GD=9:4である。
また、△AEFと△DGFに関しても同様に、直線EA//直線GDのため、
∠FAE=∠FDG、∠FEA=∠FGDがいえ、対角であるため、∠AFE=∠DFGがいえる。よって、△AEFと△DGFは相似であると言える。
EC:GD=9:4であり、AE:EC=2:1であるため、ECの長さを⑨とおくと、GDは④、AEは⑱とおける。よって、AE:DG=18:4=9:2となる。
△AEF∽△DGFであるため、AE:DG=AF:FD=9:2となる。
よって、AF:FD=9:2。


(2)
△BFDの面積の大きさを⑧とすると、BD:DC=4:5から△FDC=⑩になる。AF:FD=9:2から、△AFC=㊺となり、AE:EC=2:1であるため、△AFE=㉚、△FCE=⑮と表せる。△AFC=㊺、△FDC=⑩であるため、△ADC=55となり、BD:DC=4:5から△ABD=㊹になる。
よって、△ABC=△ADC+△ADB=99となる。
一方で四角形FDCE=△FDC+△FCE=㉕となる。
ゆえに、四角形FDCE:△ABC=25:99.

解答日時:2019/01/05 11:27:20

定理の暗記に頼らないでもいいように指導したい

この問題はメネラウスの定理を知っており、かつそれを使うことを意識すれば比較的容易に解くことができるかと思いますが、定理の暗記に頼らないでもいいように指導したいと思います。

具体的には、まずメネラウスの定理という用語を出さずにその導出方法を教えてそれを用いて答えまで出してしまった後に、最後にこの定理を用いればショートカットできるということを示す流れにしたいです。

理由としては定理を忘れても解けるようにしたいというのはもちろんのこと、定理を導出する過程を理解することが算数の力の向上につながったり、目先が変わっていても本質が似通っている問題を解く時に非常に役立つと思うことが挙げられます。実際、メネラウスの定理の導出は「高さが同じ三角形の面積比は、底辺の長さの比である」ことと、「底辺を共有する三角形の面積比は、高さの比である」という2つの当たり前の事実を用いるだけで可能ですが、メネラウスの定理を知らない状態からいきなり証明できる小学生はあまり多くはないだろうと思います。

それは上の2つの事実を知っていても、問題でどう利用できるのかということがわかっていない、つまり道具とその使い方が頭の中でリンクしていないからです。一度導出を見せ、自分でも理解しやってみることで、上の2つの事実を難しい問題でどのように利用するかという勘のようなものをつかむ手助けになると思います。

メネラウスの定理の導出が理解できれば、あとはこれと上の2つの事実を用い、かつ「四角形は対角線で2つの三角形に分けてみる」という視点があれば解答できるでしょうし、途中で詰まってしまいヒントを与える時にもこのことを強調して正解まで導けるようにしたいと思います。

解答日時:2019/01/05 15:49:43

二通りの解答の導き方を投稿します

【方針】

まず、大前提として三角形の面積は(底辺)×(高さ)×1/2として求められるので二つの三角形の高さが等しい時はその底面比が三角形の面積比となる。
同様に二つの三角形の高さが等しい時、その面積比が底面の比となる。

このことを踏まえて条件をまとめる。AE:EC=2:1でBD:DC=4:5である。
CFを結んだ線の延長とABの交点を点Gと置く。

(1)
BD:DC=4:5より△FBD:△FDC=4:5であり、△FBDを(4)、△FDCを(5)と置く。この時、△FBCは(9)と置ける。
AE:EC=2:1より△ABF:△FBC=2:1であるので△ABF=(18)と置ける。よって△ABF:△FBD=(18):(4)なのでAF:FD=9:2

A. 9:2

(2)
AF:FD=9:2であるので△FDC=(5)と置くと△AFCは(5)×9/2=(45/2)と置ける。
この時、△ABF=(18)、△AFC=(45/2)、△FBD¬=(4)、△FDC=(5)より△ABCの面積は(18)+(45/2)+(4)+(5)=(99/2)と置ける。
また、AE:EC=2:1より△FEC=1/3△AFCであり△AFC=(45/2)なので△FEC=1/3×(45/2)より△FEC=(15/2)。
四角形FDCE=△FEC+△FDC=(15/2)+ (5)=(25/2)となる。
四角形FDCE=(25/2) かつ△ABC=(99/2)より四角形FDCE:△ABC=25:99

A. 25:99


【別解】

(1)
AE:EC=2:1より△ABF=(2), △FBC=(1)と置くと△FBD=4/9△FBCより△FBD=(4/9)。
よって△ABF:△FBD=(2):(4/9)よりAF:FD=9:2

(2)
△ABF=(2)で、BD:DC=4:5より△AFC=(5/2)である。
この時△ABC=(2)+(5/2)+(1)=(11/2)となる。△EFC=1/3△AFC=(5/6)、また△FDC=5/9△FBC=(5/9)。
よって四角形FDCE=(5/6)+(5/9)=(25/18)となる。すなわち、四角形FDCE:△ABC=(25/18):(11/2)より25:99


【まとめ】

二つの解答は共に底面比と面積比を用いたものであり、補助線を引くことがポイントとなるであろう。
一つ目の解答ははじめに△FBDと△FDCの面積を設定したので数が大きくなったが、分数計算などが少ないことがメリットである。
別解では分数計算が多くなってしまうが数が小さくわかりやすいのがメリットである。

解答日時:2019/01/05 20:46:50

こんな指導法はどうでしょうか

(1)
三角形ABCのなかに三角形ADCと三角形BCEという三角形があります。
この二つの三角形は両方とも角Cをもっていて、角Cを挟む二つの辺はそれぞれ同じ一本の線の上にあります。

つまり、三角形ADCの辺ACと、三角形BCEの辺ECは同じ直線の上にあり、三角形BCEの辺BCと、三角形ADCの辺CDは同じ直線の上にあります。
このようにACBFみたいなキツネの顔みたいな形があるとき、辺の比についての公式があります。
BD/CB×AF/DF×EC/AE=1というものです。

よって、4/(4+5)×AF/DF×1/2=1
    4/9×1/2×AF/DF=1
    2/9×AF/DF=1
    AF/DF=9/2
よって、AF:DF=9:2だとわかります。


(2)
四角形は三角形BCEの中にあることがわかります。
なので、まず三角形ADCと三角形ABCの面積の比を調べてみましょう。
三角形の面積は底辺×高さ×1/2です。DCとCBは同じ直線上にあるから、底辺をDCと辺CBとして見てみると比べられます。
辺の比はDC:BC=5:9です。三角形ABCと三角形ADCの高さは同じなので、面積の差は底辺の差になります。
よって三角形ABCと三角形ADCの面積の比は5:9です。

三角形ADC=5/9三角形ABCです。


つぎに四角形FDCEと三角形ADCの面積の比見てみましょう。
四角形の面積を調べるのは難しいので、違う形に着目します。
FCに補助線を書いて、四角形FDCE=三角形FCD+三角形CEFとなります。

まず、三角形ADCの底辺を辺ACとみると、三角形CEFと三角形ADCの高さは等しく、底辺の比が面積の比になる。
AC:EC=2:1より、面積の比は三角形ADC:三角形CEF=2:1がわかりました。

よって三角形CEF=1/2三角形ADCです。

次に三角形FDCと三角形ADCを比べます。
底辺をADとみると、二つの三角形の高さは等しく、また底辺の比が面積の比になります。
三角形ADC:三角形FDC=AD:FD=11:2とわかります。
三角形FDC=2/11三角形ADCです。

四角形FDCE=三角形FCD+三角形CEF
      =2/11三角形ADC+1/2三角形ADC
      =15/22三角形ADC
      =15/22×5/9三角形ABC
      =25/66三角形ABC

よって面積の比は四角形FDCE:三角形ABC=25:66。