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カテゴリ:受験生の生活

やる気に関して

こんにちは、現在小六の娘を持つ母です。
娘は現在中学受験を考えており、塾にも通わせております。成績は志望校のレベルからすると標準くらいで、もう少し頑張ってもらいたいと思っています。ところが、最近娘の勉強へのやる気がなかなか出ないようなのです。学校の宿題なども以前はしっかりやっていたのですが、5月初めあたりからだんだん取り組みが悪くなり、現在では勉強しなさいとハッパをかけないと勉強しなくなってしまいました。不思議に思ったので最近何かあったのかと尋ねても、何もないとあっさり言われてしまいました。このままだと志望校に受からないよと諭しても、あっけらかんとしています。もしかすると娘は五月病の真っただ中? (私はそのようなものには縁がなかったのでわかりませんが)かとも思ったのですが、そう考えると無理に勉強させるのもかわいそうだと思い、結局見守ることしかできずにいます。この掲示板では家庭教師の方が回答してくださるということですので、子供のやる気が出ない時、どのように対処したら良いか、また親に何かできることはないか、ぜひ教えていただきたいです。よろしくお願いいたします。
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回答者
ひじり
回答日時:2019/05/14 23:35:19

やる気に関して

こんばんは。現在都内で中学受験生の指導を行なっている家庭教師です。
お母様の質問内容について、私からアドバイスしたいと思います。
まず質問を拝見して疑問に思ったのですが、娘さんは自分の意思で志望校をお決めになったのでしょうか?お母様は娘さんを塾に通わせ、勉強するようハッパをかけられている、とのことですが、これはお母様が娘さんに無理やり勉強させようとしているように見えます。当然かもしれませんが、人というのは無理やり何かをやらされたところで大して上達しません。スポーツでも勉強でもそうだと思いますが、やはり自分の意思でやりたいと思わなければ、取り組みも悪く、進歩しないままです。娘さんが勉強に対するやる気が薄れているのは、娘さんが心から望んだ中学校を志望していないからかもしれません。志望校の選定に際して、娘さんの意思よりもお母様の意思が先行しているということはありませんか?娘さんの意思に反し、お母様の主観で子供に志望校を選択させていませんか?中学受験生の親御さんというのは、特に中高一貫の場合、どうしても東大や医学部医学科などの難関大学、難関学部への合格実績ばかりを重視する傾向があります。しかし考えてみれば、中学受験をする12歳そこらの受験生が東大や医学部について知っているかというと、おそらくほとんど何も知らないでしょう。もちろん12歳までの知識は狭く、親が志望校を決めた方がいいという意見ももっともではあるのですが、それは真の意味でのお子さんの可能性を狭めているということにお気づきになった方が良いと思います。

中学受験において大切なのは、お子さんが中学生になって、あるいは中高一貫であれば高校生になって、どんな生活を送りたいのか、何をしたいのかということをおぼろげにでも意識させることです。それが勉強へのモチベーションとなり、ほとんどの小学生にとってあまり楽しいとは言えない勉強にも前向きに取り組むことができるようになるのです。では、それが意識できるようになるにはどうすれば良いのでしょうか。

それは、「親子の対話を増やす」ということです。対話というのは、もちろん親が子供の意見に真摯に耳を傾け、親も子供に自分の意思や要望を伝えながらお互いの共通認識を形成する作業のことですが、これには注意点があります。子供というのは、少なからず親の言動に影響を受けます。例えば受験校の選定の際、親の主観で子供に情報を伝えると、子供は親の発言そのままのイメージでその学校を捉えるようになります。もしその学校に他の学校が真似できないような独自性を持っていても、それを魅力に感じなくなってしまうことが多々あるのです。親はこのような側面に常に配慮しなければなりません。ですから、ここでいう中学受験生とその親との対話とは、「子供は主観(やりたいことや興味のあること)で」、一方で「親はあくまで客観的に子供の話を聞き、お子さんの要望にあった選択肢を紹介する」ことであると思います。そして、お母様はお子さんの意見を認めてあげることも重要です。子供に限らず、自分の意見を受け入れてくれる人がいるというのはその人に大きな自信を与えます。まずお母様は娘さんが自分の意思と異なることを言っても、否定するのではなく、まずそれを受け入れてあげてください。そうすることで子供に自信が生まれ、自然と勉強に身が入ると思います。

受験生の親御さんがお子さんにしてあげられることは多々ありますが、もっとも大事なのは親が子供の管理者になるのではなく、子供にとっての心のよりどころとなることです。そのことを忘れず、お子さんの意思を最大限尊重されるよう努めてください。そして、勉強だけでなく、お子さんの好きなことを一緒にやったり、出かけるなどしてお子さんのメンタルヘルスに常に気配りを忘れないであげてください。長々と書きましたが、少しでもお役に立てるアドバイスができれば幸いです。