投稿日時:2019/04/25 20:58:51
カテゴリ:算数
今年の海城中学 算数第一問
今年の海城中学の問題を息子が解いたのですが、この問題がどうしてもわからないとのことです。塾講師の方、この問題の説明をお願いします。
sugar
回答日時:2019/05/15 20:26:42
解答
この問題はメネラウスおよびチェバの定理を知っていると容易に解けますが、ここでは知らないものとして解答します。まず①ですが、三角形ABPと三角形ACPは底辺をAPと考えると底辺が共通です。つまり面積比=高さの比になります。よって、三角形ABPの面積と三角形ACPの面積の比は辺BEと辺CEの長さの比に等しくなります。よって答えは3:2です。(わかるとは思いますが、もう少し詳しく説明すると、頂点B,Cから半直線 AEに向かって垂線を下ろします。頂点B,Cから下ろした垂線の足をそれぞれX,Yとすると、三角形BEXと三角形CEYは対応する二つの角度が等しいことより相似です。つまり、BX:CY=BE:CEとなります。一方、三角形ABPと三角形ACPは、辺APを共通の底辺と見た場合高さがBXとCYになりますから、結局辺BEとCEの比が使えるわけです。)
次に②を説明します。なお、この問題はチェバおよびメネラウスの照りを使えば容易に解けるといいましたが、これらの定理は実は三角形の相似から導かれる定理なので、相似さえ理解していれば使えるようになっておいたほうが良いでしょう。海城は図形の比の問題を好んで出しますから、覚えておいて損はないと思います。
では説明します。まず、問われているのは三角形ABCと四角形PECFの面積比です。三角形ABCというのはもっとも大きい三角形で、今は比を聞かれているだけなので、この三角形の面積を1として考えてみましょう。問題では「四角形PECF」と書かれてありますが、図を見るとこれは三角形CEPと三角形CFPを合わせたものだとわかります。したがって、解答の方針としては、三角形ABCの面積を1と考えてみた場合、三角形CEP、三角形CFPがその何分の何かが分かれば良い、ということになります。
まず三角形ABCに対する三角形CEPの比を求めます。面積について、これは図から、三角形CEP=三角形ABC×(2/5)×(PE/AE)です。ですので、どうしてもAP:PEの比が必要です。本来はここでメネラウスの定理を使いますが、使わない場合の解法としては、Eから辺ABに、CDと平行な線を引き、ABとの交点をQとします。すると、三角形BEQとBCD、また三角形ADPとAQEが相似であることがわかります。まず前者を考えると、BE:EC=3:2よりBQ:QD=3:2です。さらに、後者に目を移すと、AP:PE=AD:DQです。ここで、BD(=BQ+QD):AD=2:1ですから、BQ:QD=3:2として考えると、DAの比は5/2となります。このことから、AP:PE=AD:DQ=5/2:2=5:4であるとわかります。よって三角形ABCに対する三角形CEPの比は1×(2/5)×(4/9)=8/45となります。
全く同様にして、今度はEからACに、BFと平行な線を引き、ACとの交点をRとして考えると、最終的にAF:FC=(15/4):5=3:4であることがわかり、三角形ABCに対する面積比は1×(2/5)×(5/9)×(4/7)=8/63であるとわかります。よて求める面積比は1:(8/45)+(8/63)=1:(96/315)=105:32となります。
このように、平行線を引いて二組以上の相似な三角形を見つけるというのはよく使うテクニックですので、覚えておいてください。何かわからないことがありましたら、またご質問下さい。
次に②を説明します。なお、この問題はチェバおよびメネラウスの照りを使えば容易に解けるといいましたが、これらの定理は実は三角形の相似から導かれる定理なので、相似さえ理解していれば使えるようになっておいたほうが良いでしょう。海城は図形の比の問題を好んで出しますから、覚えておいて損はないと思います。
では説明します。まず、問われているのは三角形ABCと四角形PECFの面積比です。三角形ABCというのはもっとも大きい三角形で、今は比を聞かれているだけなので、この三角形の面積を1として考えてみましょう。問題では「四角形PECF」と書かれてありますが、図を見るとこれは三角形CEPと三角形CFPを合わせたものだとわかります。したがって、解答の方針としては、三角形ABCの面積を1と考えてみた場合、三角形CEP、三角形CFPがその何分の何かが分かれば良い、ということになります。
まず三角形ABCに対する三角形CEPの比を求めます。面積について、これは図から、三角形CEP=三角形ABC×(2/5)×(PE/AE)です。ですので、どうしてもAP:PEの比が必要です。本来はここでメネラウスの定理を使いますが、使わない場合の解法としては、Eから辺ABに、CDと平行な線を引き、ABとの交点をQとします。すると、三角形BEQとBCD、また三角形ADPとAQEが相似であることがわかります。まず前者を考えると、BE:EC=3:2よりBQ:QD=3:2です。さらに、後者に目を移すと、AP:PE=AD:DQです。ここで、BD(=BQ+QD):AD=2:1ですから、BQ:QD=3:2として考えると、DAの比は5/2となります。このことから、AP:PE=AD:DQ=5/2:2=5:4であるとわかります。よって三角形ABCに対する三角形CEPの比は1×(2/5)×(4/9)=8/45となります。
全く同様にして、今度はEからACに、BFと平行な線を引き、ACとの交点をRとして考えると、最終的にAF:FC=(15/4):5=3:4であることがわかり、三角形ABCに対する面積比は1×(2/5)×(5/9)×(4/7)=8/63であるとわかります。よて求める面積比は1:(8/45)+(8/63)=1:(96/315)=105:32となります。
このように、平行線を引いて二組以上の相似な三角形を見つけるというのはよく使うテクニックですので、覚えておいてください。何かわからないことがありましたら、またご質問下さい。