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カテゴリ:理科

理科が苦手です

小6の娘を持つ親です。娘は来年中学受験で、志望校では理科が出題されるのですが、どうも苦手なようです。そもそも娘は理科があまり好きではないようで、勉強したがらないというのが一番の原因であるように思うのですが、私が最も問題だと思うのは、娘が日常生活と勉強を完全に切り離して考えているように見えることです。そもそも理科というのは日常生活から多くのヒントを得られるはずの学問だと思っているのですが、娘は悪く言ってしまうと頭が固いのか、勉強は勉強、日常生活とは違う作業だと言って身近にある現象について考えようとしません。おそらく、日常生活のことを考えても入試の点数には響かないし、そうするくらいなら問題集を使って勉強した方がよいと思っているのだと思います。しかし実際に点数が伸びていないため、この前私が「問題を解くのも必要だけど、普段の何気ない現象を考えることも立派な理科の勉強になるよ」と諭したところ、「そんなこと考えるくらいなら用語覚えた方が得点になるじゃん」と言われてしまい、詰まってしまいました。

このままの勉強では娘は確実に理科嫌いになってしまうと思います。かといって、志望校の問題を眺めてみますと、教科書には載っていないようなテーマについて考えさせるような問題が数多く出題されています。娘が現在通っている塾の教材を見てみても、志望校で出題されているようなテーマについての解説はほとんどないのが現状です。しかし志望校に合格するためには理科をなんとかしなければならないということは痛感しておりますので、娘が理科を好きになってくれる、または最低限入試で点数が取れるようになるにはどうすればよいか、指導者の方にご教授頂きたいのです。

ただ、考えてみますと、私は都内のマンション在住で、子供が外に出て自然と触れ合ったり、身近に起きる現象を考えてみるなどの機会は少ないと思います。私も娘と一緒に考えてあげられればよいとは思うのですが、なにぶん仕事が忙しく、そのような時間は日曜日くらいしか取れないのが現状です。とはいえ、学校での教育は娘の理科嫌いに歯止めをかけてくれるようなものではなく、塾でも基本的には座学がメインでしょうから、実際に娘が生の「理科」に触れる機会は少ないとは思います。ですが、そのような中でも、娘が日常生活を理科的な視点で考えられるようになるための、親ができる工夫のようなものはないものでしょうか?
ご回答をよろしくお願いいたします。
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回答者
小倉
回答日時:2019/05/26 18:13:20

理科との向き合い方

中学受験生に算数、理科を教えております家庭教師です。ご質問に関していくつか私の意見を述べさせていただきます。

ご質問としては娘さんの理科嫌いにどのように対処すべきか、そして娘さんの理科嫌いを克服できるようになるための親御さんにできる工夫はどのようなものか、ということですね。まず前者から回答いたします。まず、娘さんは理科をどのように学習されているのでしょうか?ご質問から察するに、娘さんは理科がかなり嫌いとのことですから、おそらく理科の勉強に対するやる気はあまりないと思われます。ただし、一口に理科といっても、学校によってばらつきはあるものの基本的に中学入試では物理、化学、生物、地学分野から満遍なく出題される形式になっていることが多いです。ですから、単に嫌いと言われても、実際には特定の分野だけができていないことも考えられます。なので、まずは娘さんが今まで受験した模試などを参照しながら、苦手だと言う中でも「どの分野はできていて、どの分野ができていないのか」をまずはっきりさせることから始めましょう。どこが最も苦手かが分かれば、問題集や教科書、参考書を使って基礎から復習していくことで成績は思いがけずグッと上がることもありますので。さて、理科は日常生活との関わりが強い学問であり、質問者様もそれについては言及されておられました。確かに、難関校の入試では一見見たことがないような視点から考えさせるような問題も多く出ています。そのような問題への対策として日常生活の視点から理科を考えることは有用ではあるのですが、現実的に「点数を取る」ことを考えた際、日常生活の視点では対象が広すぎるという問題点があります。つまり、無理やり日常生活と受験勉強としての理科を結びつけて考えさせようとしても、入試問題で求められる知識や思考力を身につけるところまでには至らないことが多いのです。ではどのようにすれば日常生活が受験勉強に生かせるかと言いますと、「受験勉強で得た知識を日常生活に当てはめてみる」のが一番良いと思われます。例えば植物分野についてでしたら、植物の分類から始まり、花や根、茎の構造などを学んだ後に身近な植物でそれを確認してみれば良いのです。そうすれば、自らが学んだ知識が現実で通用するのだという実感が得られ、理科に対する興味が湧くでしょう。もちろん将来、高校や大学での理科の学習は複雑すぎてそのままでは現実に応用できないレベルですが、小学生のうちにそのような経験を積んでおくことは理科的な発想力を養うことにも繋がると思います。これを踏まえて、親御さんができることは何かというと、先ほどの例で言えば身近な植物を娘さんに用意してあげたりすること、つまり娘さんの獲得した知識を現実で確かめさせてあげる準備をすることであると思います。もちろん、結論から言えば、最初はどうしても知識をある程度無理やりにでも入れなければなりませんが、その知識が実際に応用できることを示してあげることが大切です。

最後に、質問者様は都内マンションに在住とのことですが、理科は家だけで勉強するものではありません。都内であれば、科学館や博物館などで理科イベントなどが開催されていますし、天体について勉強したのならば、ご家族でプラネタリウムなどに行ってみても良い刺激になるでしょう。

このように、親御さんが娘さんにできるサポートは色々あります。中学受験を意識されるのなら、まずは知識を入れることにはなってしまいますが、その知識を現実に適応できることを親御さんのサポートで娘さんに気づかせてあげられると理科に対する興味も深まるのではと思っております。