今年、受験を控えている小6の息子がいます。
時事問題の対策として、とりあえず毎日ニュースを見させているのですが、それだけでは心配なので、他にもやらせたほうがいいでしょうか?
投稿日時:2019/05/16 20:10:50
カテゴリ:社会
時事問題ですが…
まゆこ
回答日時:2019/05/17 14:14:46
時事問題について
こんにちは。私は現在東大2年生で、中学受験生への家庭教師をしております。
最近、中学受験でも時事問題を出題する学校を多く見かけます。試験に占める時事問題の配点は学校によりまちまちですが、知識が得点に直結するため、ある程度触れておくというのは必要かと思います。
ところで、お母様は中学受験で「時事問題」を出題する意図をどのようにお考えでしょうか?私なりの見解を申し上げますと、小学生の段階で、「世の中で何が起こっていて、それらにはどのような問題があり、私たちの生活にどう関わっているのか」を知っておくべき、と出題者側が考えているからであると思います。現在の社会はエネルギーや人口増加、および地球環境の存続をも危ぶむ経済開発競争、果ては人工知能による社会の変革など、人類が今まで経験してこなかったようなパラダイムシフトが多発的に発生しています。そのような世の中で生きることになるであろう受験生たちには、現在のよく言えば革新的、悪く言えば混迷するこの社会について、出来るだけ見聞を深めてから受験をしてほしいのであろうと思います。それが証拠に、私が通う東京大学では教養教育の高度化を基盤とするリベラルアーツが積極的に推進されています。この教育課程においては、東大に入学した分科1,2,3類、また理科1,2,3類の学生全員が文理関係なく学問の基礎を学びます。具体的には、英語や情報などの全科類必修の授業に始まり、「総合科目」と呼ばれる選択式の講義では文系の学生でも高度な数学の講義を受けることができます。
つまり、これからの社会の問題の解決に資するような人材には、文理の区別を超えた幅広い知識や想像力が必須のものとして求められるということです。受験において時事問題が出題されるのは、このような能力を涵養する前段階として、日々生きているこの社会には多くの問題が存在するということを知ってほしいからであると思います。
では、このような観点のもとで、時事問題はどう対策すべきでしょうか。小学六年生の受験生に東大でやっているような高度な教育をしても意味はありません。まず、小学生のレベルにあった「読み物」を読ませるべきです。例えば、お母様は「ジュニアエラ」という雑誌をご存知ですか?この本は確か月刊雑誌で(間違っていたら申し訳ありません)、私は小学生の時にこれを読んでいましたが、この本はその月ごとに起こった時事問題について、小学生にもわかるように専門家が噛み砕いて説明し、さらに巻末には時事問題対策の練習問題まで付属しているという優れものです。私は受験で時事問題の出題はありませんでしたが、かなりとっつきやすく、大人が読んでも教養として知っておかなくてはいけないことが書かれています。お母様はお子さんにニュースを見せているとのことですが、ニュースは多くの情報に触れられる一方、深く掘り下げられないのが欠点でもあります。ですから、例えばとっつきやすいジュニアエラを読んだ後に新聞を読ませ、時事問題を確認させて後にニュースを見させる、というのも一つだと思います。もちろん時間の都合もあるでしょうから、全てに目を通せなくても、ジュニアエラだけを読ませても時事問題には十分対応できると思います。
お子さんが受験生である以上は、時事問題だけに時間を取られるわけにはいきまん。各新聞社でも、小学生向けの新聞などを発行している会社がありますから、それらも見比べつつ、お子さんと相談しつつ、お子さんがもっとも「楽しく」読み続けられるような教材を選択されると良いと思います。以上、私からのアドバイスといたします。
最近、中学受験でも時事問題を出題する学校を多く見かけます。試験に占める時事問題の配点は学校によりまちまちですが、知識が得点に直結するため、ある程度触れておくというのは必要かと思います。
ところで、お母様は中学受験で「時事問題」を出題する意図をどのようにお考えでしょうか?私なりの見解を申し上げますと、小学生の段階で、「世の中で何が起こっていて、それらにはどのような問題があり、私たちの生活にどう関わっているのか」を知っておくべき、と出題者側が考えているからであると思います。現在の社会はエネルギーや人口増加、および地球環境の存続をも危ぶむ経済開発競争、果ては人工知能による社会の変革など、人類が今まで経験してこなかったようなパラダイムシフトが多発的に発生しています。そのような世の中で生きることになるであろう受験生たちには、現在のよく言えば革新的、悪く言えば混迷するこの社会について、出来るだけ見聞を深めてから受験をしてほしいのであろうと思います。それが証拠に、私が通う東京大学では教養教育の高度化を基盤とするリベラルアーツが積極的に推進されています。この教育課程においては、東大に入学した分科1,2,3類、また理科1,2,3類の学生全員が文理関係なく学問の基礎を学びます。具体的には、英語や情報などの全科類必修の授業に始まり、「総合科目」と呼ばれる選択式の講義では文系の学生でも高度な数学の講義を受けることができます。
つまり、これからの社会の問題の解決に資するような人材には、文理の区別を超えた幅広い知識や想像力が必須のものとして求められるということです。受験において時事問題が出題されるのは、このような能力を涵養する前段階として、日々生きているこの社会には多くの問題が存在するということを知ってほしいからであると思います。
では、このような観点のもとで、時事問題はどう対策すべきでしょうか。小学六年生の受験生に東大でやっているような高度な教育をしても意味はありません。まず、小学生のレベルにあった「読み物」を読ませるべきです。例えば、お母様は「ジュニアエラ」という雑誌をご存知ですか?この本は確か月刊雑誌で(間違っていたら申し訳ありません)、私は小学生の時にこれを読んでいましたが、この本はその月ごとに起こった時事問題について、小学生にもわかるように専門家が噛み砕いて説明し、さらに巻末には時事問題対策の練習問題まで付属しているという優れものです。私は受験で時事問題の出題はありませんでしたが、かなりとっつきやすく、大人が読んでも教養として知っておかなくてはいけないことが書かれています。お母様はお子さんにニュースを見せているとのことですが、ニュースは多くの情報に触れられる一方、深く掘り下げられないのが欠点でもあります。ですから、例えばとっつきやすいジュニアエラを読んだ後に新聞を読ませ、時事問題を確認させて後にニュースを見させる、というのも一つだと思います。もちろん時間の都合もあるでしょうから、全てに目を通せなくても、ジュニアエラだけを読ませても時事問題には十分対応できると思います。
お子さんが受験生である以上は、時事問題だけに時間を取られるわけにはいきまん。各新聞社でも、小学生向けの新聞などを発行している会社がありますから、それらも見比べつつ、お子さんと相談しつつ、お子さんがもっとも「楽しく」読み続けられるような教材を選択されると良いと思います。以上、私からのアドバイスといたします。