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カテゴリ:国語

国語の成績が上がらない

中学3年の受験生です。国語の成績が伸び悩んでいます。ほかの教科は勉強すれば結果は出るのに、国語に関してはいくら演習をしても成績が上がりません。国語の成績の上げ方を教えてください。
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回答者
解答日時:2019/09/19 00:02:38

国語(読解)の勉強法について回答します。

 塾で中学生向けの国語の指導を担当している者です。回答させていただきます。
 実際に「国語の勉強法がわからない」という声はよく聞きます。たくさんの問題を解いてもなかなか成績が上がらなくて困っている人はとても多いです。そんな生徒は次の3つのルールを使いこなせていません。そのルールとは、
・類比
・対比
・因果
の3つです。この3つがどのようなものなのか1つずつ説明していきますね。

類比とは「別の言葉に言い換える」ことです。そして、言い換える方法というのは2種類あります。それは、
・短くまとめる(抽象化)
・わかりやすく説明する(具体化)
の2つです。

抽象化とは「犬や猫やネズミって、つまり動物だよね?」という例などでみられる「犬」、「猫」「ネズミ」といった具体的なものを「動物」というカテゴリーにまとめることを言います。
具体化とは「辛いものっていうと、たとえば、とーがらしとかわさびだよね?」というように「辛いもの」という抽象的なものをとーがらし、わさび、などの詳しいものに具体化することです。

対比とはあるものと別のモノを比べることです。
たとえば、「夏は暑い。しかし、冬は寒い。」、これは「夏」と「冬」を比べています。
次のものはどうでしょう。
「風を引いた。ところが、学校へ行った。」
これは何かと何かを比べているわけではありませんが、「逆接」といって、後ろに予想外の内容を並べる用法です。

因果とは、「原因」と「結果」を結ぶことを指します。因果には2種類あります。それは、
① 前に原因、後ろに結果
② 前に結果、後ろに原因
の2つです。
例えば、「雨が降った。だから、運動会が中止になった。」、これは①のパターンです。
「運動会が中止になった。なぜなら、雨が降ったからだ。」これは②のパターンです。

以上が3つのルールです。これらを理解して使いこなしてこそ、国語の成績が上がります。

ですが、これらを「知っている」だけで「使いこなす」ことができなければ国語の成績は上がりません。次にこの3つのルールをどのように使いこなすかを説明します。

 文章の内容を理解するうえで重要となるもの、それは「接続語」です。
 接続語の働きを知らないまま文章を読んでも、文章の流れを理解できず、頭のなかは真っ白になります。逆に知っておくと、
・「あ、この分は前の内容をまとめているんだな」
・「これは具体例だ」
・「ここで理由が説明されているんだな」
と意識して読み進めることができます。その結果、筆者の主張や大事なポイントが手に取るようにわかります。だから接続語はぜひともマスターしてください。

接続語の代表例を次に挙げますね。

<類比の働きをする接続語>
・前の内容をまとめるもの(抽象化)
→つまり・すなわち・このように・要するに

・前の内容を分かりやすく説明するとき(具体化)
→例えば

<対比・逆接の働きをする接続語>
しかし・だが・が・ところが・けれども・でも

※評論では筆者が逆接の後に言いたいことを述べることというパターンが多いです。
(例)
「塾に行かせなくてよいという声が上がっている。しかし、わたしはそうは思わない。」
「そうは思わない」が筆者の言いたいことです。
<因果の働きをするもの>
・前に原因・後ろに因果
→だから・したがって・そのため・その結果・なので・よって(文頭で使う)
 ので・から・ため(文中・文末で使う)
・前に結果・後ろに原因
→なぜなら

以上が、文章の構造を理解するうえで大切な接続語です。これらの接続語を見つけたら印をつけるようにしましょう。


次に先に挙げた類比・対比・因果を活用する設問を上げていきます。

類比のルールを活用する設問は次のものがあります。
・~はどういうことか
・~はどのようなことを指しているのか
・~についてわかりやすく説明しなさい

「どういうことか」という形式であれば、本文中の表現を用いて傍線部の内容を説明しなおすことが求められます。

「わかりやすく(具体的に)」とあれば具体的にわかりやすく説明すればよいのです。

上記の設問を見た瞬間に「あ、これは類比にパターンだな」と気づければ、傍線部の内容自体を説明している個所を本文から探していけばいいのです。

対比のルールを活用する設問には次のものがあります。

説明文の場合
・AとBの違いを説明せよ
・~と反対の内容にあたる表現を抜き出せ

小説文の場合
・主人公の心情がどのように変化したのか、説明しなさい。

因果関係のルールを活用する設問には次のようなものがあります。
・~はなぜですか
・傍線部の理由を説明しなさい。

ここまで国語の勉強について話してきました。はじめに述べた3つのルール、類比・対比・因果はぜひ使いこなせるようにしてください。問題を解き解答をみて、「あ、これは類比(対比・因果)だな」と思いながら、理解を深めて勉強を進めてください。これらを意識しながら勉強するのとしないのとでは、かなり差が出ます。ぜひ国語を得意科目にしてください!